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米中首脳会談「貿易に関する協定や北朝鮮問題に関する発表は見送り」

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トランプ米大統領は7日、前日から2日間の日程で始まった中国の習近平国家主席との首脳会談で進展が見られ、米中両国は多くの問題を乗り越えられるとの認識を示した。

トランプ氏は貿易問題や北朝鮮の核開発プログラムなどについて習主席と意見を交換したとし、「米国は中国との関係で目覚しい進展が得られた」と指摘。「これまでに真の進展が見られたが、これからさらに進展させる。習主席との間で傑出した関係を築くことができた」と述べた。

そのうえで「潜在的に非常に悪い問題は解消すると信じている」と語った。

トランプ氏は前週、米国は貿易赤字や雇用の喪失をもはや容認しないとし、習主席との会談は「非常に困難なものになる」と述べていたが、会談2日目となったこの日は論調に変化が見られた。

ただトランプ氏は経済問題で双方がどのように歩み寄ったかなど詳細には触れず、習主席も概ね前向きなトーンを維持しつつ一般的な発言にとどまった。

習主席は「われわれは理解を深めるとともに、手始めとしての仕事の仲や友情、信頼を築くことができた」とした上で、「安定した形で友好関係を発展させていけると確信している。世界の平和と安定に向け、われわれは歴史的な責任を果たしていく」と述べた。これに対し、トランプ氏は「100%賛成だ」と応じた。

こうしたなか、ロス商務長官は、米国の輸出促進と対中貿易赤字縮小に向けた通商交渉のための100日計画に関して両首脳が合意したと表明。「問題の範囲や規模を考えると(計画は)野心的かもしれないが、協議ペースでの非常に大きな転換だ」と述べた。

また中国側がマネーサプライやインフレへの影響から貿易黒字の削減に関心を示した、と明らかにした。

この他、ティラーソン国務長官は、北朝鮮問題で両国が協力を強化することや、米中協議の新たな枠組みに関して両首脳が一致したと述べた。
(出典 ロイター http://jp.reuters.com/)

 

合意の方針が示されなかった米中首脳会談

アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席、世界1、2位の経済大国を率いる両首脳による初の会談が行われたが、会談終了後も貿易や投資に関する協定の発表はなく、北朝鮮の核開発に対処するための合意に向けた方針も示されなかった。

マーケットへの影響は限定的で、大きなリスク回避のムードは今のところ形成されていない。4月7日、日経平均株価は18664(+67)、NYダウは20656(-6)、ナスダックは5877(-1)、ドルは雇用統計を受けて一時的に売りで反応するも、長期債利回りの上昇にともなってすぐに買い戻しが入り、ドル/円は111.09で引けた。

米政府当局者は「米中両首脳がお互いを知る機会となった」と説明しているが、明確な成果は無く、マーケットに伝えるアナウンスメント効果は乏しい。また会談中にアメリカが巡航ミサイルによるシリア攻撃を断行し、中国と北朝鮮だけではなく、新たにロシアとの国際関係悪化の懸念も出てきており、週明けのマーケットにどの程度リスク回避のムードが強まるのかが、注目されている。
 

今後のリスク要因

習国家主席との会談の直前、シリア攻撃を決断したトランプ大統領の狙いは、北朝鮮のミサイル問題を巡り中国との軋轢が生じるリスクを抱えた状態でも、国際社会のルールに従わない国に対しては、アメリカによる強硬的な単独行動も辞さないとの意思を示し、弱腰外交とも揶揄されていたオバマ前政権との違いをアピールする事で、自身の政権運営能力を誇示する構えだと推測できる。

アメリカが北朝鮮と中国、そしてロシアを巻き込んで緊張状態に入った時、更にフランスでポピュリズムが台頭してルペン氏が大統領選挙で勝利した時、マーケットが「どのような受け止め方」をして「どの方向に流れるのか」を、個人投資家はしっかりと織り込みながら資金管理をする必要がある。

今のところ、米中両首脳がそろった公の場で、シリアや北朝鮮の軍事的な緊張問題に対する声明発表はなく、更に、元々の首脳会談の議題として注目されていた貿易不均衡問題の核心にも、触れる事はなかった。

トランプ大統領は「習主席と私が築いた関係は特別なものだと思っている。極めて悪化する恐れのある多くの問題がなくなっていくと考えている」と述べ、習国家主席もトランプ大統領の歓迎に感謝の意を示し、「長時間にわたる深いコミュニケーションを持つことができた。より重要なことは、われわれが理解を深め、ある種の信頼を築いた」と述べるにとどまっている。

表向きは、米中首脳会談が友好的に行われた事をアピールしているが、腹のさぐりあいで終わった会談と言えそうだ。もしくは、テレビカメラの前では一緒に散歩をするなど、「距離の近さ」をアピールしたが、裏側では歩み寄りの難しさを露呈する神経戦的な会談とも言える。

首脳会談の直前にミサイルを発射した北朝鮮の行為が挑発的なら、首脳会談の最中にシリアへのミサイル攻撃を実施したアメリカの行為は、中国にとっては「メンツを潰された」形となり、今後中国が態度を硬化させる可能性もある。まさに、一般の投資家が知りえない裏側で、何かのリスクイベントが進行しているのかも知れない。

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