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どうなる「メキシコ国境の壁」

 1月26日、トランプ米大統領の「米国第一」主義が壁にぶち当たっている。写真は、米国とメキシコとの国境に新たに建設されたフェンス。メキシコのシウダーフアレスから撮影(2017年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)

トランプ氏は不法移民を防ぐために壁を建設し、メキシコに建設費を負担させると繰り返し述べてきた。就任後第1週目にして壁建設の大統領令に署名。ペニャニエト・メキシコ大統領は26日、トランプ氏との会談を中止すると発表した。

 

スパイサー大統領報道官はその数時間後、メキシコからの輸入品に20%課税して壁の建設費に充てる方針を表明し、年間100億ドルを調達できると述べた。これは議会下院の共和党議員が提唱している法人税の「国境調整」に似ているようだ。トランプ氏は先に、国境調整は複雑過ぎると述べている。

 

下院案では、法人税率を現行の35%から20%に引き下げる。同時に輸入コストを税控除の対象から外し、輸出で得た収入について所得税を免除する。これにより10年間で税収が1兆ドル増えるとしているが、輸入品への依存度が高い産業は税負担が重くなる可能性がある。

 

企業はそのコストを消費者に転嫁するかもしれない。米国は昨年1─11月にメキシコ製品を2700億ドル相当輸入した。最大品目は自動車だが、果物や野菜、ビールも数十億ドル規模で輸入している。全米小売連盟は、国境調整が導入されればメンバー企業は小売り価格を最大15%引き上げざるを得なくなると表明した。

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米国とメキシコの関係は26日、新たな混乱状態に陥った。数十年にわたる友好と経済協力を台無しにしかねない貿易戦争に両国は近づいている。

 

トランプ米大統領が北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉とメキシコ国境への壁建設という選挙公約の実行に動き出したことから、メキシコのペニャニエト大統領はこの日、訪米中止を発表した。これに対しトランプ政権は、メキシコからの輸入品に20%課税する案で応酬した。

 

米国のシンクタンク、インターアメリカン・ダイアログのマイケル・シフター会長は、「米国とメキシコの関係にとっては極めて悪い日であり、記憶の限りにおいては最悪の日だ」と述べ、「手に負えない状況に陥る本当の危険がある」と指摘した。世界屈指の貿易関係が破綻に向かっているとの懸念が強まり、メキシコ・ペソは急落。米株式相場は伸び悩んだ。

 

トランプ大統領がメキシコに不満を持つにせよ、両国経済は深く結び付いており、国境沿いの州では特にその傾向が強い。それだけに深刻な政治・経済の動揺を招かずに両国を引き離すことはほぼ不可能に近い。自動車や同部品、農作物、繊維、食品は全て両国間を自由に行き来しており、それに支障が生じた場合、双方の国に経済的な悪影響が及ぶ恐れがある。その打撃はトランプ氏を大統領に押し上げたラストベルト(脱工業化の中西部から北東部にかけての地域)も受ける。

 

最大の打撃を受けるのは自動車産業だろう。フォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)、フィアット・クライスラー・オートモービルズはいずれもメキシコに組立工場を構えている。ホンダや独フォルクスワーゲン、マツダなどの外国メーカーもメキシコ工場から米国に自動車を輸出している。北米自由貿易協定(NAFTA)で恩恵を受けている米国企業にはワールプールやゼネラル・エレクトリック(GE)などもある。

 

首脳会談の中止前には、ペニャニエト大統領はNAFTAに関して来週ワシントンで交渉を開始すると見込まれていた。トランプ大統領は米国の労働者にとってより良い取引をまとめられない場合は見捨てることも辞さない姿勢を取っており、NAFTAは「最初から一方的な取り決めだった」と26日にツイッターに投稿した。

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かつて、ここまで「我が道」を突っ走る米大統領がいただろうか?今後、トランプと対峙して「国境の壁建設問題」で向き合わなくてはならないメキシコが、哀れだ。

 

メディアではトランプに否定的な見解が一段と目立つようになってきた。特にこの「国境の壁建設問題」では、メディアがトランプを否定する(もしくは暴走のレッテルを貼る)のは当然というロジックが正当化されてしまった。トランプはよりいっそう「とんでもない大統領である」と、メディアを通じて世界中に認知されてしまった。

 

しかし、トランプはそんな事はお構いなしだ。メディアから何を言われようと、メキシコとの間で国際問題が発生しようと、トランプは選挙期間中に広げた大風呂敷が大言壮語ではなく、有言実行である事を米国内の支持者達に訴えかける事を最重要にしているからだ。その為なら、相手が自動車業界だろうと国家(メキシコ)だろうと、形振り構わずにトランプ砲を発射する。そして、その度に世界中の市場は大きな影響を受ける事になる。

 

間違いなく、トランプは世界を変えて行くだろう。それが良い方向なのか、悪い方向なのか、現時点では誰にも分からない。ただ一つ明確に言える事は、世界はよりいっそう混沌を深めて行く、という事だ。英国と米国が反グローバルを主張して、中国がグローバルの正当性を主張している。数年前の世界の常識が歪んでしまった。

 

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