読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

FX

市場相場は TradingView.com によって提供されています

絶望的なトルコリラ円

トルコ中銀は24日、利上げ予想に反して政策金利を現行の8.00%で据え置くと発表した。今後トランプ政権の為替政策が、「強いドルを支持する」のか「ドル高を牽制する」のか、もしトランプラリーのドル高が継続した場合、レジスタンスが存在しないドルトルコリラの上昇は、どこまで行くか分からない。トルコリラ円でロングポジションを保有しているスワップ派のFX投資家は、トルコリラの今後の下落をしっかりと織り込んだ資金管理が必要となる。

f:id:universaldiary:20170124223249j:plain

(出典 http://jp.reuters.com/

 

エルドアン大統領「金利を下げる以外に方法はない」

今回のトルコ中銀の出した「据え置き」は、投資促進の為に借入コストを押し下げるべきだと語っていたエルドアンの意向が反映された結果だろう。今後もエルドアンは、景気減速を食い止める方策として、金利をできるだけ低水準に引き下げる方針を維持すると見られている。

 

上級者以外は手を出すべきではない「トルコリラ円」

各FX取扱会社でトルコリラ円が取引通貨ペアとして登場した際は、概ね50.00水準であった。スワップの高さに魅かれてトルコリラ円の取引を開始したFX投資家の多くが、ロングポジションを保有している。ショートから入った人は恐らく少ないだろう。

各取引会社が大々的にスワップの高さを宣伝した事で、多くの人が安易に「スワップで儲かるかも?」という目論見からトルコリラ円に手を出してしまった。スワップでコツコツと利益を上げるという手法は、日本人の気質に合致した投資手法ではあるが、新興国通貨に資金を投じるのが、どれだけリスクが高い投資なのかを明確に理解をしていなかった人も多かったと思える。恐らく、そのリスクをスワップの高さが覆い隠してしまったのだろう。銀行の営業で、為替差損のリスクを理解できない高齢者が、金利の高さだけを見て安易に外貨預金に手を出すのと、根本は同じだ。

トルコリラや南アフリカランド、そしてブラジルレアル等の新興国通貨に手が出させるのは、十分な投資経験と資金力を有する上級投資家だけで、初級者は安易に手を出すべきではない。

 

今後のトルコリラ円の行方

現時点で、トルコリラ円が上昇する材料は全く見当たらない。ポピュリズムの台頭で政治的な混乱が予想されるEUとテロが頻発する中東に挟まれたトルコは、地政学的なリスクが高く、トルコ国内でも昨年の7月にはクーデター未遂事件、今年の年初にはテロが発生している。海外投資家がトルコ市場から資金を引き揚げる材料は豊富にあるが、資金を投じる材料は乏しい。

更に、トランプラリーが終焉を迎えてくれれば良いが、もしドル高が2017年も進行すれば、短期対外債務が1000億ドルを超えるトルコは、通貨急落時に必要な対応が取れなくなり、最悪の場合クラッシュの危険性さえ有している。

今後も独裁的な力を有するエルドアンが、トルコ中銀に圧力を掛けて利上げをさせない方策を継続するのならば、トルコリラ円は絶望的だ。

f:id:universaldiary:20170124231609p:plain

(出典 https://www.investing.com/

40.00を割れたトルコリラ円の今後の下げの目途は、見当がつかない。EUや中東シリア情勢とトルコ国内の政局や経済情勢の悪化にドル高が加わったら、20.00の下抜けは避けられないだろう。

トルコリラ円が54.08の水準を回復するのは、可能性はゼロではないが、相当の年月を必要とするだろう。リーマンショック前の90.00の水準への回復は絶望的に有り得ない。どれだけ有り得ないかと言えば、トランプが暗殺されて江頭2時50分が新大統領に就任する位に有り得ない。

損切りをするのか、ひたすらスワップを受け取りながら超長期投資に徹するのか、トルコリラ円のロングポジション保有者には厳しい選択が迫られている。

(現役デイトレーダー)