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トランプ大統領とポピュリズムの台頭

6月の英国ブレグジットと11月の米国のトランプ大統領誕生、そして空前のトランプラリー。一体世界で何が起きているのだろうか?その答えはポピュリズム(大衆迎合主義)の中に隠されているのかもしれない。

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(出典 http://jp.reuters.com/

 

反グローバリズム

ブレグジットとトランプ大統領誕生は、米英が主導してきたグローバリズムの崩壊を意味するのだろうか?

経済のグローバル化による繁栄から取り残されて、豊かさを手に出来なくなったと考える人々の不満や怒りを、既存の政治家や政党が受け止める事が出来ない状況になってしまった。そこに現れたのがポピュリズムを掲げる政治家である。彼らは格差社会や貧困の原因をグローバリズムに結びつけて、日々の生活に対して不満や不安を頂いている大衆に理解や共感を示した。更に大衆からの支持を集める為に自国第一主義(反移民、反自由貿易)を主張して、グローバル化の流れを逆流させる事で、豊かさを享受できない人々に希望を与える方策を作りだした。

 

反移民

グローバル化の波に取り残された人々は、移民が自分たちの国に住むようになってから、自分たちの職が奪われ、生活水準が下がったと考えた。更に自国経済の停滞によって所得の再分配を満足に受けられないにも係わらず、移民流入により担うべき社会保障負担が増している事に低所得者層の怒りと苛立ちはピークに達していた。

 

なぜトランプはヒラリーに勝利したのか?

既存メディア等の世論調査や事前調査ではヒラリーが優勢で有り、恣意的な情報操作もあったが、ほとんどの人がヒラリー勝利を疑わなかった。しかし選挙戦の中盤あたりから、大衆の多くは不利な状況の中で既存メディアからネガティブ情報を出されても、ヒラリーと正面から戦い続けるトランプとトランプが掲げるポピュリズムに心を奪われたのだろう。

そしてトランプは、物議を醸す反移民と自国第一主義を主張する過激な言動で大衆の「不満」や「怒り」を煽り、上手く票に繋げた。人々を煽りたてるような攻撃的なトランプの言動にエリート層の米国民は顔をしかめたが、一般大衆は日々の生活の苦しみや不満の解決や打開をトランプに見出してしまった。既存メディアは、大風呂敷を広げて大衆を先導するトランプに危機感を感じたのか、必死にネガティブキャンペーンのごとくトランプ叩きを繰り広げていたが、一度大衆に広がった「煽りの火」を消す事はできなかった。

 

熱狂するトランプラリー

はたしてトランプを支持した大衆の中で、どれだけの人がトランプラリーで利益を出せたのだろうか?結局のところ、トランプラリーで多額の利益を手にしたのは一部の投機筋である。個人投資家の多くが、「買い」はトランプショックでロスカット、すぐその後の「売り」はトランプラリーでロスカット、その後の加熱するトランプラリーの上昇スピードには怖くて手が出せずに足踏みを続けていると思われる。トランプのポピュリズムに煽られて、トランプを大統領に押し上げた一般大衆のほとんどが、トランプラリーで利益を手にしていない事だろう。因みにゴールドマンサックスの株価は、トランプラリーによってリーマンショック前の高値の水準まで上昇した。

 

2017年はポピュリズムの嵐が欧州で吹き荒れる?

2017年の欧州は選挙の年である。イタリア・オランダ・フランス・ドイツでの選挙で反移民・反グローバリズム・反EUを掲げる政党の勢力が増してしまったら、欧州はどうなってしまうのだろうか?

欧州全体に広がるポピュリズム、一般大衆がその煽りに乗ってしまったら、それぞれの国が自国第一主義を掲げ、EUから離脱の方向に歩みを変え、最後は第二次世界大戦前の混沌に逆戻りする可能性もあるだろう。

 

個人投資家はこれから始まる「激動」をどう生きるべきか?

英国のブレグジットと米国のトランプ大統領の誕生、欧州に広がりを見せている反グローバリズムと自国第一主義、これは「ポピュリズムの台頭」の序章であり、本格的な激動が始まるのは2017年だろう。

一般大衆から抜け出す為に投資で資産を増やしたい人も、既に有している資産を上手く運用したい富裕層も、大切な概念として持つべきは「資産保全」という認識である。これからの時代で必要なのは、単に投資で市場にお金を投じるのではなく、いかにして「自分のお金を守りながら増やすか」である。投機筋は個人投資家に損失を与えて、自分たちが莫大な利益を得ようと狙っている。国はマイナンバー制度を利用して、個人の金融資産情報を管理しようとしている。だからこそ、これからの個人投資家に求められるのは、資産運用と資産保全、自分の有する資産を守りながら増やす事である。

(現役デイトレーダー)