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FX

トランプラリーで勢い止まらない「ドル高」は、いつまで続くのか?

 

トランプ大統領誕生なら円高との予想を覆して怒涛の勢いで急騰しているドル。アメリカ国内では、このドル高への懸念が高まっている。ドル高はアメリカの輸出企業にダメージを与えており、トランプ氏が大統領選挙期間中に指摘をしていた国内製造業の衰退と貿易赤字を拡大しかねない問題である。はたして大統領就任後のトランプ氏は、ドル高を牽制するのか?それとも容認をするのだろうか?

 

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   ドルは114円半ば、株高・米長期金利上昇で強含み | ロイター

 

[東京 9日 ロイター] - 正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点と比べ、ドル高/円安の114.40/42円だった。

朝方のドルは114円ちょうど近辺で推移していたが、午前11時頃に向けてじり高となり、一時114.57円まで強含んだ。米長期金利の上昇によるドル買いがけん引した。米大統領選後の急騰に出遅れた実需筋などが買いを入れていたという。

ドルは7日に114.40円、8日に114.38円で上値を止められたが、同水準を上抜けたことでドル買い機運が出てくる可能性がある。「115円トライも、何もノイズが出てきそうにないきょうはタイミングがいいように思える」(外為アナリスト)との声もあった。

 
  
トランプラリーを振り返る
大統領選挙の開票作業が進むにつれて次第にトランプ氏勝利が濃厚になると、東京の株式市場と外国為替市場では初期反応としてリスクオフに傾き、日経平均株価とドル円は大きく下落した。いわゆる「トランプショック」である。しかし海外時間に入ると、アメリカ議会の「ねじれ」解消とトランプ氏が提唱している経済政策への期待感や利上げ維持の観測を背景に株買い・ドル買い・債権売りがおそらくアルゴリズム取引により増幅されて、市場は一気に「トランプショック」から「トランプラリー」と呼ばれる動きとなった。
 
 
トランプラリーは期待先行のバブルである
トランプ氏の勝利は世界のマネーの流れを変えた。米国市場は青天井の上昇で「バブル化」しつつある。株価・通貨・長期金利は跳ね上がる一方で、各国で通貨価値が急落した。しかし忘れてはならないのが、今の「トランプラリー」は期待相場だという事である。トランプ氏の経済政策(大規模な財政出動・減税・金融自由化=トランプノミクス)に対する期待感が、米国市場でトランプラリーと呼ばれるリスクオン相場を形成しているのだ。来年の1月20日(トランプ氏の大統領就任)前後を境に期待相場から現実相場に移行した時に、賞味期限が切れた期待相場(バブル)が破裂する可能性がある。
 
 
トランプ政権の為替政策はドル高かドル安か?
現在のドル円相場は円安ではなく、トランプ政権への期待感と米金利上昇によるドル高の色合いが濃く、これは米国の事情である。また今のドル高は、トランプ氏が打ち出すインフラ投資や減税策の副作用でもある。一方、米国内では輸出企業にとっての逆風であるドル高への懸念と不満の声も高まっており、今後経済指標や企業業績にドル高のデメリットがはっきり反映されてくれば、トランプ次期政権の要人がドル高に対する牽制発言やドル安誘導を鮮明にする可能性もあるだろう。しかし、その場合はG20による通貨安競争回避の合意は捨て去られる事になり、市場全体が「ドル高志向かドル安志向か」を巡って神経質な状態に陥るだろう。
 
 
政策期待から現実路線に傾いた時、ドル安に反転か?
トランプ氏が大統領に就任するまでは、悪材料が出てきても市場の反応は限定的だろう。トランプ氏への期待相場が現実相場に変わるのは大統領に就任する1月20日、または1月下旬に予定されている一般教書演説(所信表明)の時であろう。トランプノミクスの減税とインフラ投資などは10年間で財政赤字を6兆ドル程度拡大させる要因だ。もしもトランプ次期政権が現実路線に傾き、減税やインフラ投資を縮小した時、期待相場で急騰してきたドル円相場は反落してドル安に転じる可能性がある。
(現役デイトレーダー)